エコジョーズの工事
エコジョーズタイプの機器は商品の性質上、ドレン排水が出ますので、何らかの形で処理をしなければなりません。現在、そのドレン排水を処理する方法として主に下記の3通りがあります。
一般的なドレン排水方式
(主に戸建住宅やマンションのベランダ設置)
戸建住宅の場合やマンション等のベランダに機器が設置されている場合は、通常この方式をとります。原則的には汚水系統に接続することになっていますが、雑排水に流すことも最近では認められるようになってきました。(自治体によって異なります。)機器のそばに汚水枡が無い場合は、雨水枡や雨水の樋に接続する場合もあります。なお、状況によっては簡易的な浸透枡を作り、そこに接続する場合もあります。
【施工例】
三方弁方式
(マンションのパイプシャフト内設置)
パイプシャフト内のドレン排水を接続するところが無い場合は、この方式をとります。
現在では様々な排気方式に対応した機器も販売されていますので、比較的多くの集合住宅でもこのタイプの機器であれば設置が出来るケースが多いです。
この機器の特長としましては、中和したドレン水を一時的に機器内のドレンタンクに溜めます。溜まったドレン水を追焚配管を利用して浴室内に搬送し、ドレン排水切替ユニット(三方弁ユニット)を作動させ浴室内の排水系統に排水します。(タンク内に一定量のドレン水が溜まると通常自動湯はり時に排水。排水後は配管洗浄を行います。)
デメリットとしては、専用部材が必要になりますので、通常のドレン排水方式に比べてコストがアップします。
*リンナイ製品の場合kaecco(カエッコ)、ノーリツ製品の場合Hi・Sui・Sui(ハイスイスイ)、パーパス製品の場合ドレンマジックと呼んでいます。
*浴室がハーフユニットになっていて、エプロンが取り外せない場合やエプロン内にドレン排水切替ユニットの設置スペースが無い場合は、上記エコジョーズタイプの機器は、設置が出来ません。また、浴室リモコンから配線を取り出せない場合も設置が出来ません。
【施工例】
三本管方式
(ドレンアップ方式。マンションのパイプシャフト内設置)
パイプシャフト内のドレン排水を接続するところが無い場合は、この方式をとります。
機器に内蔵されたポンプで強制的に浴室の排水系統にドレン排水をします。
通常の機器からこのタイプの機器へ交換する場合は、一旦既存の往きと戻りの2本の追焚配管を抜いて、新たにドレン排水管も含めた3本の管を入れますので、この方式の機器は設置出来ない場合も多いです。
*ドレン水は、空気中の水分の結露によって生じるものですので、害があるものではありませんが、適切な処理が必要です。なお、ご使用状況にもよりますが、一般的に1日あたり、0.5リットルから1.5リットル程度のドレン水が排出されます。
(暖房機能付の機器の場合は、5リットル程度出る場合もあります。)
(ドレン排水は酸性(pH3程度)ですが、エコジョーズ給湯器内部の中和器(炭酸カルシウムを充填)を通すことによりpH7程度の中性にして排出されます。)
エコジョーズ設置の注意点
エコジョーズタイプの機器は通常の給湯器と比較して、製品の性質上排気温度が低くなりますので、既存機器の設置状況によっては、ドラフト力が弱く排気が上昇せず滞留しやすくなることがありますので、排気口近くに金属製のサッシや扉、柵、植栽などがある場合は注意が必要です。
*排気方向を変更する部材や、排気流速を上げるための部材の設置をした方が良い場合があります。
それぞれの給湯器の排気特性を可視化したもの
(見やすくするためにオイルミストを用いて撮影したもので、実体とは異なります。)